18年3月1日、手術当日
術前診察の要請
1回目の掻爬手術の翌週、2回目の掻爬手術を受けるために再び産院へ。
前週は術後に突然の高熱・不正出血があったことから、前回のように医師から手術に関する説明も何も無いままラミナリア挿入処置だけされるのは避けたかった。
受付:「では本日もこのまま2回に上がってナースステーションにお声がけください。」
私:「前回は何も事前説明が無いまま手術に入ってしまいましたが、前回の手術の後、高熱が出たり不正出血があってとても不安なので、手術前に先生と話させてください。」
受付:「そうなのですね。。かしこまりました。少し掛けてお待ちください。」
しばらくすると診察室へ呼ばれた。
この日はE先生ではなく、初めてお目にかかる優しそうな女性医師だった。
女性医師:「本日掻爬手術2回目ということですね。手術前に説明が欲しいとのことですね?」
私:「手術内容については大体は把握しているのですが、1回目の掻爬手術の翌日に39.7℃の高熱が出て、その翌日に不正出血がありました。熱は処方頂いた抗生物質とロキソニンを飲んだら、夜には熱が治りましたが。。掻爬手術後に高熱が出るってよくあることなんですか?」
女性医師:「考えられるのは、感染症になりかかったところで抗生剤が効いてきたか、あるいは、翌日に不正出血があったとのことなので、子宮が内容物を排出しようとして収縮する際に熱を発することもあるので、そちらの可能性も高いかもしれませんね。」
私:「子宮が収縮して高熱が出ることがあるんですか?」
女性医師:「はい、ありますよ。その後平熱に戻ったとのことなので、そんなに心配する必要は無いでしょう。本日の手術ですが、先週の手術で子宮内は綺麗になったという報告もあるので、もしかしたら今日の手術では何も出てこない可能性もあります。」
高熱の原因が分かりやや安心した。
この日も前回と同様に2階の安静室に通され、点滴が投与された。
つわりは全く無くなっていたので、スマホでニュースを読んでいたら、今回は一時間も経たないうちに患者用携帯が鳴った。
もう勝手も分かっていたので、点滴をカラカラ押しながら1階の内診室へ向かった。
掻爬手術
今回はラミナリアは挿入されなかった。
これで果たして手術ができるのかと心配だったが、為す術もない。
再び内診台の椅子に座り、点滴が外され、酸素マスクが装着される。
麻酔の管が通されると、すぐに意識が飛んで行った。。
部分胞状奇胎
目が醒めると、やはりまだ内診台の上だった。
前回のように酷い生理痛は無く、座薬は必要無かった。
車椅子で安静室へ運ばれ、一時間ほど経つと軽食が運ばれてきた。
朝から絶食だったため、待望のごはん!
焼きたてのパンもサラダも美味しく、軒並み完食。
間も無く診察室から呼ばれ、E先生が待っていた。
E先生:「これで2回の掻爬手術は完了です。前回の手術の病理検査の結果が出ました。
胎児成分は認められなかったけれども、部分胞状奇胎でした。」
E先生が差し出してくれた病理審査の結果報告書には、子宮内容物の画像と、”Partial Mole”という文字が書かれていた。
部分胞状奇胎は胎児成分があるのでは…?胎児成分が認められない部分胞状奇胎というのも存在するのだろうか?
E先生:「で、今後なのですが、侵入奇胎や絨毛癌に進展していないかどうかを、hcgという腫瘍マーカーで追っていきます。結果順調型の場合は6ヶ月で妊娠は解禁になりますよ。」
6ヶ月…
もうあと数ヶ月で35歳。たった数ヶ月でも痛い年齢だ。
しかし、とりあえずはまずhcg値が順調に下がることを願うしかない。
手術日のhcg値は検査しない?
実は現在後悔していることがある。
他の方のブログを読んでいると、普通は掻爬手術前後のhcg値を計測しているのだ。
この2回目の掻爬手術後に、E先生に「今日のhcg値は取らないんですか?」と聞いたら先生は「取らない」ときっぱり言った。
あまりにもきっぱり言われたので、測らないものなんだと無理矢理自分を納得させて帰って来てしまったが、今思えば自分から「測ってください」と言うべきだった。
先生としては、既に病理検査で胞状奇胎の確定診断が出ているので、ピーク時のhcg値などもはや必要ないと言うことだったのかもしれない。
恐らく個人で営んでいる産院では他の組織に検査を依頼するため、結果が出るのにも時間を要するし、必要以上に血液検査を実施することには消極的なのだろう。
しかし、hcg値は自分の大切な記録だ。
もしかしたら胞状奇胎と診断された時点で、施設内に血液検査機関がある大きな病院への紹介状を依頼する方が良かったのかもしれない。(これはこの後の経過観察の際に痛感する。)
掻爬手術後のhcg値の経過
18年3月16日、術後の採血
2回の掻爬手術後、体調はすっかり元通りになり、つわりの頃の食欲不振を取り戻すかのように食欲全開だった。
不正出血なども特に無かった。
部分胞状奇胎と診断されたことから、まあ侵入奇胎になる可能性はほとんど無いだろうと、9月の妊娠解禁を夫と共に心待ちにしていた。
そんな中で手術後初の採血で産院を訪れた。
この日は採血だけ。結果が出るまでに2週間以上かかるので、次の来院は一ヶ月後でいいですよ、と言われた。
この時は私も自分が順調型だと思い込んでいたので、この悠長な経過観察に特に疑問も特に疑問に思うことも無く、一ヶ月後に来院の予約を入れた。
18年4月16日、採血及びhcg結果
一ヶ月後に来院し、3月16日に採血したhcgの結果を聞くために再び産院へ。
血中hcgの結果は120U/ml。
E先生:「術後1ヶ月でこの数値であれば順調ですね。また来月来てください。」
先生曰く、奇胎摘出後の血中hcgの推移の目安は、
- 奇胎娩出後5週:1,000mIU/ml
- 8週:100mIU/ml
- 20週で血中 hCG値カットオフ値
ということなので、4週で120U/mlはかなり順調なのだろう。
この数値を見てすっかり安心してしまった私は、次の来院予約をしばらく忘れ、呑気に夫と北海道旅行を計画した。