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抗がん剤治療からの逃避行

胞状奇胎・侵入奇胎
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MTX追加2クール目をキャンセルし、ハワイへ…

ほぼ2週間ぶりのブログ更新となる。

twitterでは告知させて頂いていたが、実は弾丸でハワイに行っていた。

あれ、侵入奇胎の治療中だったんじゃ…?と思われるかもしれないが、hCG寛解後、追加クール1回を終え、白血球数も元に戻りプールや人が多い場所への外出許可が出た3日後にはハワイに旅立ってしまったのだ。

本来はここで続きの「最終クールの副作用」について書くべきとも思ったのだが、大好きだった「ちびまる子ちゃん」の作者のさくらももこさんが乳がんで亡くなられたこともあり、抗がん剤治療について考察する記事を書いておきたい。

「治療感」が全くない抗がん剤治療

初めに言っておくが、私は抗がん剤治療を否定したいわけではない。

侵入奇胎という前癌状態になった細胞を殲滅するには、現段階の医療技術では抗がん剤以外に選択肢は無かったと思っている。

私の抗がん剤治療についてのスタンスは過去の記事↓でも言及している。

黒い下着は婦人科系の病に罹りやすい?
臨床的胞状奇胎と診断された病院からの道すがら、抗がん剤への恐怖から、一時は民間療法に頼る可能性も探したが、思い留まった。代わりに、願掛けがわりに下着の色を総入れ替えすることにした。

しかし、実際に経験してみると

抗がん剤は薬ではなく、毒である

と、身を以て知った。

私が患っていた(る?)侵入胞状奇胎は、自覚症状が全く無かった。

普通にしていればいたって元気で、食事もモリモリ食べ、仕事もバリバリこなしていた。

ところが一旦「メトトレキサート」という抗がん剤の投与が開始すると、みるみる病人のように身体が弱っていくのだ。

あれほど美味しいものが好きだったのに、気分の悪さで食欲は根こそぎ削がれ、額から首にかけてはグロテスクな皮疹ができ、口内炎や喉の痛みが酷くて食べることは愚か、話すことも苦痛を伴う。

おまけに「メトトレキサートは滅多に脱毛は起きない」と言われていたにも関わらず、治療第2クールあたりからシャワーの度にゴルフボール〜野球ボール大の毛束が抜けるようになり、治療を終えた今でも脱毛は続き、頭頂部が大分薄さが目立つようになってきてしまった。

治療とは、本来自分が回復していることを身を以て実感できるからこそ多少の苦痛も頑張って乗り越えようと思えるものだが、抗がん剤治療は全くそれがないのが一番辛いところだ。

考えてみれば、抗がん剤は悪性細胞と良性細胞の区別なく無差別に絨毯爆撃を行い、患者の生命力の強さに全てがかかっているというとんでもない薬なのだ。

悪性細胞との根比べに患者の生命力が負けてしまった場合は、悪性細胞と心中となる。

このような荒療治は、私にとっては「治療」とは言い難い。

治療というより、

身体に毒を流し込んで悪性細胞と根比べ

を行なっているだけ、という感じである。

治療が長引くほど、悪性細胞に有利な状況に

幸い私は4クールで終えることができたが、これがもし5クール、6クールと重ねられていったら、精神的にも肉体的にも耐えられたかどうか分からない。

クールを重ねていくうちに副作用の症状は激しくなっていき、回復にも時間がかかるようになる。

自分の身体がどんどん弱っていくのが実感できるのだ。

私はこれに恐怖を覚えた。

2週間の間にまともな物を食べられるのがたったの2〜3日だけ、運動もできず、日の光も浴びることなく、ずっとベッドの上に寝そべっていると、まずは精神的に滅入ってくる。

吐き気か、口内炎の痛みか、皮疹の痒みか、或いは全てか、常に何かしらの症状に耐え続ける生活。

笑うと口内炎のおかげで口が突っ張り、激しい痛みがほとばしるので、笑うこともできない。

身体は元気になっても皮疹が痒かったり喉の痛みで唾がうまく飲み込めずに四六時中咳き込んでいるような状態では、出かける気にもなれない。

「生きていて良かった」と思えるような体験は根こそぎ奪われる。

次第に何のためにこんな辛い状況に耐えているのか分からなくなってくる。

こうして精神的にやられ始めてしまうと、何の意思もなく増殖していく悪性細胞との根比べの勝率が下がっていってしまうのは必死だろう。

健気に回復を繰り返す自分の身体を愛おしく思う

抗がん剤で繰り返し痛めつけているにも関わらず、また、十分な栄養もなく、運動もなく、精神的にも参ってしまっているにも関わらず、身体は健気に回復していくのだ。

こんなに物を食べられなかったら、このボロボロになった口の中を治す材料がもう身体には残っていないのではないか、身体の方が菌に負けて、この上半身の皮疹はやがて全身に広がり、痒みで地獄のようになってしまうのではないか。

そんな心配をしている本人をよそに、身体は、どこかから細胞を再生するための材料を捻出し、一生懸命口内炎や皮疹を治していく。

何度投薬して痛めつけられても、段々と回復のスピードを落としていきながらも、こんなに栄養不足なのに、身体は一生懸命回復していくのだ。

私は、これほど自分の身体が愛おしいと思ったことは無い。

それと同時に、一刻も早く、身体を痛めつけることをやめてあげたいと思うようになった。

自分の身体の声に耳を傾け、抗がん剤を中止する

侵入胞状奇胎の抗がん剤治療は、腫瘍マーカーであるhCG値がカットオフ値になった後、通常2クールの追加投与を行うのが平均的らしい。

しかし「侵入胞状奇胎の治療ガイドライン」で定めれらている追加クール数は1〜3回。

1回だけでもガイドラインには沿っているし、心配なら3クール実施しても良いというアバウトな目安だ。

目に見えない敵に対し、多めに攻撃して叩いて根絶やしにした方が確実だろう、という考えから2・3回を選ぶ医師が多いのはうなづける。

私も当初は、再発リスクが少しでも減らせるのならと、追加2クールの投与を行うつもりでいた。

しかし、追加1クールとなる4クール目の副作用と戦っている際、身体の悲鳴が伝わってきた気がしたのだ。

(もうやめて!)と。

それを感じた時、軽く「念のため」と口にする1クールが、どれだけ私の身体にダメージを与えているのか、痛感した。

本来人間の身体には日々何千というガン細胞が発生しており、それをやっつける免疫機能が存在しているのだという。

その免疫機能が何らかの原因で弱まってしまったか、或いはそのキャパシティを超えてしまった時、抗がん剤で人工的にガン細胞をやっつけなければならない事態となる。

私はhCGの数値的には既に寛解しており、追加1クールも行なった。

もう1クール行なって本来備わっている免疫細胞まで叩いてしまうより、投薬を止めて免疫細胞を回復させ、自身の免疫力に任せて良い時期になったのだと判断した。

追加1クールの投与 vs. ハワイの癒し

追加2クール目の実施有無は、患者自身に選択権が委ねられる。

もう1クール実施することでより完全な悪性細胞の殲滅を目指すのか、或いは自分の身体に良いことをして喜ばせてあげることで免疫力を上げるのか。

自分の身体と対話した結果、私が選んだのは後者だ。

身体を喜ばせてあげるには、十分な睡眠とバランスの取れた良い食事、そしてストレスフリーな生活。

簡単なようで、現代の日本では中々これら全てを満たすのは難しい。

ならばいっそ、ハワイにでも行って思いっきりリフレッシュをしよう。

そうして速攻でハワイ行きの航空券を買ってしまったのだ。

第2クールを行なっていれば投薬期間真っ只中だった頃、私はハワイの海辺の街で、朝は鳥の声で目覚め、ネイティブハワイアンの聖地を訪れてマナ(超自然的な力・回復力)を授かり、青く澄んだ海でトロピカルフィッシュと戯れ、午後はお昼寝をし、夕方には再び出かけてハワイのご馳走を食べる…そんな完全ストレスフリーな生活を送った。

どちらが癒されたか、そんなことは言うまでもない。

抗癌剤治療は必要最低限で結構…

結論として、私はメトトレキサート(抗癌剤)に感謝している。

私にはやや副作用の効果もキツかったが、確実に侵入奇胎から救ってくれた。

しかし、同時に私の身体へ与えたダメージも大きかった。

一度癌化してしまったら抗癌剤が必要になるが、数値が寛解したのであれば、「追加治療」は身体と対話しながら受ける方が良いと思う。

副作用の出方は人それぞれだ。

軽い人であれば、受けられるだけ追加投与をするに越したことは無さそうだ。

しかし副作用が酷いのであれば、無理にMAXの回数を行なって身体を痛めつける必要はないと私は考える。

見えない敵に対し、自分もダメージを受けながら滅多刺しにしておくか、或いは自分の免疫力を信じてバトンタッチするか…

腫瘍マーカーがカットオフになった後は、患者に選択権が与えられる。

私は自分の免疫力に託したいと思う。

この結果がどう出るかは、今後経過観察の様子をこのブログに綴っていきたいと思う。

「生きるために生きる」さくらももこさんが遺された言葉

さくらももこさんは、自分が乳がんであることを家族以外の人には全く公表されることなく亡くなられたという。

治療期間やどのような治療をされていたのかは、今の所は分からない。

ただ、「生きるために生きる」「笑いがない生活は考えられない」そういった言葉を遺されたたさくらももこさんのことなので、恐らく、さくらさんらしい治療の道を選ばれたのではないかと思う。

もはや寛解する可能性も良く見えないような状態になった時、ただの延命のために抗癌剤を選ぶのか、或いは残された時間を自分らしく全うするために生きるのか。

私の場合は抗癌剤でほぼ100%寛解することが分かっていたことや、絨毛疾患のスコアからあまり治療が長引く見通しではなかったことから、抗がん剤治療に踏み切った。

しかし、これが「治る見込みは50%」「数年かかる」などという事態だったらどうだっただろうか。

抗がん剤治療は確実に命を縮める。

50%の可能性のために、人間らしい歓びを全て失う抗癌剤治療に、果たして私は踏み切れたのだろうか。。

きっと、最後まで自分らしく生きられることを全うする方を選んでしまうような気がしてしまう。

「ちびまる子ちゃん」は毎週楽しみにしていたアニメの一つ。

ほんわりした優しい世界観と、まる子の切れ味満点の毒舌。

毎週の楽しみを提供して下さったさくらももこさんのご冥福をお祈りします。

 


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