「未解明」では納得できない、胞状奇胎の原因
胞状奇胎とは?
詳細な情報については、医師監修のサイトなどで詳しく説明しているので、ここでは簡単な説明に留めておく。
胞状奇胎とは、受精卵の中の胎盤になる組織(絨毛組織)が水泡状に変形し(奇胎化)、子宮内で異常増殖していってしまう異常妊娠だと言う。
放っておけばやがて子宮の筋肉組織に入り込んで腫瘍化、あるいは癌化して身体中に転移する、恐ろしい異常妊娠なのだ。
ただ、私はこれを「病気」と呼ぶのに抵抗がある。
元々自分が持って生まれた臓器が病んでいるわけではなく、どちらかと言うと他所者に取り憑かれたような感覚に近いからだ。
待望の赤ちゃんが宿ったと思えば、自分の命を脅かす危険のある異常細胞に変異したなど、こんな残酷な事象があって良いのだろうか。。
胞状奇胎のメカニズム
これも他の医師監修のサイトで調べれば詳細な説明があるので、ここでは簡単な説明に留めておく。
メカニズムは全胞状奇胎と部分胞状奇胎で異なる。
ちなみに、精子の中でもY染色体(=男の子)を持つ精子が受精した場合はすぐに死滅してしまうらしいが、X染色体( =女の子)を持つ精子が受精した場合に異常分裂を起こし、胞状奇胎化してしまうようだ。
普通に妊娠できていれば女の子だったのかもしれない。。
私の場合、病理検査結果は部分胞状奇胎だったが「胎児成分は認められない」とも記載されていた。上記の一般的な情報では診断基準がよく分からない。
後に詳しく調べてみると、全胞状奇胎と部分胞状奇胎の診断は、外観(肉眼的および顕微鏡的)と染色体パターンに基づいて行われるらしい。
つまり、胎児成分になり得なくとも、子宮内容物の一部に母由来のDNAも検出されたということなのだろう。
胞状奇胎の原因①
私を含め、胞状奇胎と診断されたら誰もが「何故私が?」と思うだろう。
まずは多くのサイトで紹介されている要因を挙げる。
1. 妊婦の年齢が20歳未満35歳以上
まず一番に挙げられているのが妊婦の年齢だ。
20歳未満35歳以上の妊婦の場合、部分胞状奇胎の発生確率が7倍以上だそうだ。
※特に40歳以上の場合、40歳未満と比べ、確率は約20倍〜30倍も高くなるようだ。
ただ、妊娠時の私の年齢は34歳だったのでギリギリ当てはまらない。
2. 父親の年齢が45歳以上
全胞状奇胎の方は、母親より父親の年齢が関係があるという研究もあるようだ。
父親の年齢が45歳以上の場合、全胞状奇胎になる確率は5倍以上だそうだ。
私の夫は32歳なので、この条件も当てはまらない。
(そもそも私は部分胞状奇胎だったので、恐らく原因は私の方の染色体だろう)
3. 胞状奇胎の既往
胞状奇胎を経験した女性は、そうでない女性と比較し、発生確率が10倍以上になるという。
ただ、前述の通り、胞状奇胎の発生メカニズムを考えると、一度経験したことが次の胞状奇胎を誘発するとはどうしても考えられない。
私の考えでは、元々卵子・精子の質が良くない体質なのか、あるいは卵子・精子の質を下げるような生活習慣を送っているから、それを改善しない限りは同じことを繰り返し易いだけである、と考えている。
私の場合、今回が初の発症なので、これも私には当てはまらない。
4. 流産の既往
2回以上流産を繰り返している女性は、次に全胞状奇胎となる確率が3.1倍、部分胞状奇胎となる確率が1.9倍となるようだ。
私は初の妊娠だったのでこれも当てはまらない。
という訳で、私にとっては納得できる情報は得られなかった。
<参考サイト>
胞状奇胎の原因②
上記の通り、簡単に調べただけでは、私が納得できるような要因が分かるような情報は得られなかった。
私が知りたかったのは、
- 卵子の核(染色体)を消滅させてしまう要因
- 2つの精子が同時に入り込めてしまう要因(卵子のシャットアウト機能不全?)
という、「未解明」と言われている部分である。
胞状奇胎は誰にでも起こり得る偶発的なものだと言う。では一度経験した人が、未経験者に比べて再発する可能性が高くなるのは何故か?
偶発的なものならば、ルーレットで一度当たった人が2回目も当たりやすくなると言っているようなもので、矛盾している。
例えば、胞状奇胎から侵入胞状奇胎に進行し、卵巣機能を下げる抗がん剤を使用していた、など、背景の要因が分かっているのなら分かるが、そのような調査まではされておらず、ただ簡易に数字だけ統計を取っただけのように見える。
食習慣は胞状奇胎の原因になる?
何か、卵子・精子に悪影響を及ぼす要因が必ずあるはずだ。
食生活?
生活習慣?
それとも、コスメやシャンプーといった日々使っている日用品?
日本のサイトだけでは有用な情報に行き当たらないので、米国のサイトも併せて調べてみた。
すると、私の仮説に当てはまる情報がいくつか見えてきた。
5. 栄養素不足
アメリカのある研究では、ビタミンA、βカロテン、タンパク質、脂質の欠乏が胞状奇胎のリスクを高めることが分かってきたようだ。
ビタミンAは動物性の食品に含まれる「レチノール」と植物性の食品に含まれる「βカロテン」の2種類があるらしい。
中でも、動物性の食品に含まれる「レチノール」は、視覚の正常化・成長および生殖作用や感染予防に働くと言うので、関係がありそうな感じがする。
レチノールを多く含む食品は、豚レバー、鶏レバー、あん肝、ウナギなど。
βカロテンを多く含む食材は、人参、モロヘイヤ、ほうれん草、かぼちゃ、海苔などの海草類。
→思い返してみれば、この辺の栄養は不足していたかもしれない。。
6. 血液型
血液型がA型、AB型の人は、B型あるいはO型の人よりも胞状奇胎の発生率が高い。
→私の血液型はA型なので当てはまる。。
7. ピルの服用
ピルの服用による効果とは比較にならないほど要因としては弱いらしいが、ピルの服用期間が長いほど、胞状奇胎の発生率が若干高まるらしい。
→かなり昔(約10年ほど前)、生理痛の軽減のために3年間ほど低容量ピルを服用していたことがある。。。
8. 家族歴
これも他の要因と比較したら弱いものらしいが、両親、兄弟、姉妹、子供などうち、胞状奇胎を経験した家族がいる場合は若干発生率が高い、という研究もあるらしい。
→これは私には当てはまらない。
<参考>
- American Cancer Society | What Are the Risk Factors for Gestational Trophoblastic Disease?
- American Society of Clinical Oncology (ASCO) | Gestational Trophoblastic Disease: Risk Factors
- Florida Hospital | Causes of Hydatidiform Mole
以上が私が現時点で出てきた情報だ。
今後も継続的に情報を集めて提供していきたい。