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胞状奇胎の闘病記 | 2. 掻爬手術1回目

胞状奇胎・侵入奇胎

手術当日

ラミナリアの挿入と点滴

手術当日。

悪魔のお告げのような診断を下された3日後、酷いつわりで気分の悪い中、朝10時半の予約に併せて電車で産院へ向かった。

手術は日帰りで行われ、14時半には帰れるとのことだったので、着替えは持たず、指示された通り生理用ナプキンを3つほど(夜用1+昼用2)を持っていった。

また、手術後はしばらくベッドで安静にしていなければならないようだったので、暇つぶし用にiPadも持参した。

朝ごはんは抜いて来て下さいと言われたが、気分が悪くて何も食べられなかったのは丁度良かったかもしれない。

病院に着くと、まずは内診室に呼ばれた。

これまでのように先生と一度診察で今日の手術の流れの説明があると思っていたのに、突然内診室へ通されたのには驚いた。

誰が診察するかも分からないまま、診察台に座ったまま、ガバッと足を開かされる。

カーテンの向こうから近づいてくる男性医師の足だけが見えた。

男性医師C:「これから子宮口を広げる器具を入れますね。」

と言われる。先週のE先生ではないことが分かった。

顔も分からないデリケートな部分を晒すのはかなり抵抗があったが、とにかくつわりで気分が悪く、文句を言う気にもならなかった。

とにかくこの気持ち悪さをさっさとどうにかしてくれるならもう何でも良いと言う気持ちだった。

幸い、この男性医師Cはとても優しくその器具(言われていないが、ラミナリア?)を挿入してくれたため、あまり痛みも感じることなく、違和感もすぐに無くなった。

ラミナリアの挿入後、椅子から下され、下着に生理用ナプキンを装着するように指示され、内診室を後にする。

そのあとは2階の安静室へ通され、患者用の服に着替えた。

気分が悪かったのでベッドにゴロンと横になる。

しばらくすると看護婦さんが点滴を打ちに来た。

この後1時間ほどはこの生理食塩水を点滴して手術を待つらしい。

スマホ画面を見ていると気分が悪くなってしまうので、そのまま目を閉じて手術に呼ばれるのを待った。

ラミナリアの痛みを心配していたが、対して痛まなかった。個人差があるのだろうか…?

掻爬手術

1時間ほど経ち、点滴はまだ半分ほどしか減っていなかったが、枕元に置かれた患者呼び出し用の携帯が鳴った。

私:「もしもし」

看護婦:「手術の時間になりましたので、トイレを済ませて1回の内診室へ来てください。」

内診室?

手術室ではなく、内診室で手術をするのだろうか?

とりあえず指示されるままに内診室へ向かった。

先ほどと同じように、椅子型の診察台に座るように指示される。

ここで手術…?

戸惑っている間にも看護婦達に囲まれ、酸素マスクや血圧計を装着され、点滴を外された。

看護婦:「これから麻酔を入れますので、入れた所が少しピリピリしますが、すぐに眠くなりますからね〜。」

と言われ、点滴用に刺していた管に麻酔が繋げられた。

言われた通り、管を刺した左腕がピリピリし始めたな〜と思って10秒も経たないうちに意識が強制シャットダウンされた。

掻爬手術後

看護婦:「…さん、Luiさ〜ん」

遠くで看護婦が私の名前を呼ぶ声が聞こえ、意識が戻って来た。

私はまだ先ほどの診察台にガバッと股を開いたまま座っていたようだ。

酷い生理痛のような痛みがし、下腹がズキンズキンと痛んでいた。

看護婦:「ご気分はいかがですか?」

私:「物凄く強い生理痛が…痛み止めか何か…」

看護婦:「あ、じゃあ座薬打っておきましょうね〜」

私:「ざ…っざやく…?」

座薬って、お尻の穴から刺すやつか?

まだ昨年結婚したばかりの新妻がお尻の穴にプスっ…など…

などとぐるぐる頭の中で抗議するも、麻酔の影響で成すがまま。

麻酔のせいか特に座薬を打たれている感覚もなく、気づいたらもうテキパキとT字帯を履かされ、横に用意された車椅子に移動した。

車椅子に乗せられたまま、先ほどの安静室に連れて行かれ、ベッドに横になった。

静かだった。そのまま眠りにつく。

小一時間ほど眠り、目が覚めると、先ほどの気分の悪さはすっかり無くなり、本当に久しぶりにスッキリと清々しい気分だった。

そこに軽食が運ばれてくる。

クロワッサンとロールパン、サラダとフルーツ。

手術前までは見ただけでウッとなりそうなものだったが、今は食欲全開、とても空腹だったので、ご馳走に見えた。

さすがは「ご飯が美味しい」と評判の産院、クロワッサンとロールパンは温かく、外はサックリ、中はしっとりとしてとても美味しかった。

サラダもペロリと完食。

フルーツはあまり好きではないのだが、あまりにもお腹が空いていて、ペロリと食べてしまった。

術後の診断

軽食を食べ終えた所で、再び患者用の携帯が鳴る。

看護婦:「荷物を全てお持ちになり、診察室へお越しください。」

指示通り診察室へ行くと、今度は先週の通り、E先生が待っていた。

E先生:「お疲れ様でした。本日はこれで終了です。本日採取した子宮内容物については、このまま病理検査に回します。が、肉眼で見てもやはり奇胎が見えたので、恐らく間違い無いと思います。病理検査の結果、もし胞状奇胎ではなかった場合は来週は2回目の掻爬手術は不要になりますが、とりあえず来週も同じように病院へ来てください。」

もはや覚悟していたので、特にショックも受けなかった。

抗生物質(フロモックス錠)とロキソニンが処方された。

病院には父が迎えに来てくれた。

妊娠したことも伝えていなかったので胞状奇胎だったなどと言うこともできず、とりあえず稽留流産だったので中絶手術を受けた、と言うことにしておいた。

手術翌日

突然の高熱

手術当日は、つわり症状も無くなり、処方された鎮痛剤のおかげで酷い生理痛もなく、久しぶりに実家でモリモリご飯を食べた。

そしてそのまま帰宅。

元気な姿に夫も安心したようだった。

しかしその翌日。

午前中はリモートワークで自宅から仕事をしていたが、昼過ぎ頃から急に震え上がるような激しい悪寒が始まった。

指先と足先は氷のようにキンキンに冷え、分厚いカーディガンを二重に羽織り、その上に毛布にくるまってもまだ寒かった。

熱を測ると38.0℃。

しばらくするとお尻の穴から突き上げるような痛みが体にほとばしり、たまらずベッドに移動し、寝転がって仕事を続けた。

寒気がしつつも頭は働いていたので仕事はできた。

しかし熱はどんどん上がり続け、夫が帰って来る頃には自分で水を取りに起き上がることさえできなくなっていた。

手術当日の昨日の夜に感染症予防の抗生剤を飲み忘れたために厄介な感染症に罹ってしまったのだろうか。。

熱は22時にピークに達し、ついに39.7℃と、40℃に届きそうになる。

どこまで上がり続けるのかと不安になったが、抗生剤とロキソニンが効いてきたのか、少しずつ手足に温もりが戻り始め、11時には37℃台まで戻っていた。

…一体私の体はどうなってしまったのだろうか。

翌日は土曜日だったが、念のため病院で診てもらった方が良いと言うことになり、早朝に父が車で迎えに来てくれると言っていたが、朝起きてみると熱は36.5℃とすっかり平熱に戻っていた。

とりあえず父を煩わせたくないので病院に行かず様子をみることに。

不正出血

結局その1日は熱が出ることもなく終わった。

しかし、代わりにさらにその翌日には生理のような出血が始まった。

同時に酷い生理痛が始まり、産院から処方されたロキソニンが無ければまともに過ごせないほどだった。

毎日何かしら起こる身体の不調。。

次の掻爬手術まで不安な日々を過ごした。

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